タクシードライバーとして働くためには、普通自動車第二種運転免許の取得が必須ですが、免許取得には費用や時間がかかります。
しかし、多くのタクシー会社が提供する「資格取得支援制度」を活用すれば、これらの負担を軽減し、スムーズにドライバーとしてのキャリアをスタートできます。
本記事では、資格取得の方法、支援制度の活用、さらに求人の探し方まで、詳しく解説します。
さらに、筆者の体験談や業界の現状も交えながら、未経験者がタクシードライバーになるまでの道のりを具体的に紹介します。

アラフォーの現役タクシードライバー🚕 特徴:二種免許取得で禁酒 家族:妻と不妊治療を経て授かった子ども1人 過去のキャリア 🐹公務員 (企画・立案コンサルタント的な経験が豊富) 🐹ミドルウェアのプログラマ 🐹福祉業界の営業職 |
1.タクシードライバー必要な資格

タクシードライバーとして働くためには、一定の資格と条件を満たす必要があります。
1.1 普通自動車第二種運転免許
お客様を乗せて運転するためには、第二種免許の取得が必須です。
取得には以下の要件を満たす必要があります。
- 年齢: 21歳以上
- 普通免許所持期間: 通算3年以上(免許停止期間は含まれません)
- 適性検査: 視力、深視力、色彩識別能力、聴力、運動能力が基準を満たす必要があります。
1.1.1 深視力とは

深視力は、物体の遠近感や奥行きを正確に把握する能力のことを指します。
運転中に車間距離や障害物の位置を正確に判断するために必要とされます。
二種運転免許の取得時には、この検査が必須となります。
1.2 免許取得方法

取得方法には、以下の2つの選択肢があります。
- 指定自動車教習所での技能講習: 一般的な方法で、以下の期間が卒業の目安です。
- 最短で約1~2ヶ月(週3~4回の教習を受講した場合)
- 平均で約2~3ヶ月(週1~2回の教習を受講した場合)
- 受験資格特例教習1(19歳以上で運転経験1年以上の方対象)を利用すれば、さらに短期間で取得できる場合もあります。
- 補足: 教習所では、学科講習と技能講習が行われます。技能講習では、指定された場所での停止や、狭路におけるカーブなど、一種では実施しない技能演習を行います。
- 一発試験: 運転免許センターで直接試験を受ける方法です。合格率は相当低いようで、経験豊富なドライバー向けと言えます。
1.3 その他の要件
2. 資格取得支援制度で費用と時間を節約

資格取得支援制度を利用すれば、費用負担を軽減しながらスムーズに免許を取得できます。
2.1 費用の一部または全額を負担
多くのタクシー会社では、普通自動車第二種運転免許の取得費用の一部または全額(約20~30万円)を負担してくれます。
例えば、筆者が就職したタクシー会社では、二種免許取得費用を全額負担してくれました。
2.2 保証給制度
研修期間中に日当が支給される場合があり、収入を確保しながら資格取得が可能です。
私がオンライン面談を受けたタクシー会社は研修期間中の保証給が1日1万円支給されるとのことでした。
保証給制度は未経験者も安心して学べます。
筆者の場合、研修期間中に日当5,000円が発生しました。
2.3 支援を受ける際の条件
支援を受けるには、「一定期間勤務する」ことが条件となることが一般的です。
筆者が面接を受けた会社では、2年間の継続勤務を条件として、免許取得費用を会社負担としていました。
これは、会社が資格取得に投資した費用を回収するためであり、長期的に働く意思がある方にとっては大きなメリットです。
3. タクシー会社の求人の探し方

タクシードライバーとして働くためには、自分に合った会社を見つけることが重要です。
因みに、日々の出退勤の負担を軽減するため、管理人は自宅から近い営業所のタクシー会社を選びました。
3.1 求人サイトの活用

タクシー業界特化型のサイトや一般求人サイト。
3.2 タクシー会社の公式ホームページ
福利厚生や研修制度の詳細を確認可能。
3.3 ハローワークや職業紹介所の利用

特に地方では、ハローワークを活用するのが効果的です。
3.4 実際に乗車してドライバーに話を聞くのも有効
筆者は、実際にタクシーを利用し、複数のドライバーに勤務先の条件や待遇について直接聞いて回りました。
ネットの情報だけでは分からないリアルな待遇差を知ることができました。
4. 会社選びのポイント

4.1 給与体系の違いに注意
- 歩合制:完全に売上に応じた給与(スキル次第で高収入の可能性あり)
- 固定給+歩合制:安定性と成果報酬のバランス
- 保証給制度:一定期間(数ヶ月から1年)は最低給与が保証される
4.2 会社の待遇をしっかり比較
- 二種免許取得支援の有無
- 研修期間中の給与
- 福利厚生(社会保険、寮完備、割引制度など)
4.3 会社を訪問する
採用担当から会社説明を受ける際に、給与体系については詳しく聞くといいでしょう。
歩合制であれば歩合率はどの程度か必ず聞きましょう。
定期的に説明会を開催している会社もあります。
5. タクシー業界の現状と将来展望

タクシー業界は、コロナ禍による高齢ドライバーの離職や人材不足に直面していますが、その反面、新たなドライバーにとってはチャンスが広がっています。
5.1 コロナ禍で高齢ドライバーが離職
高齢ドライバーが復帰しない理由として、健康面やリスク回避の意識が高まっていることが挙げられています。
5.2 人材不足の問題
若い世代のタクシードライバー志望者が減少しており、企業は資格取得支援や保証給制度を充実させ、新たな人材を確保しようとしています。
私がタクシー会社を訪れたとき、「人材不足のピークは過ぎたけど、まだまだ深刻な状況だ」という話を聞きました。
6. 筆者の体験談

私がタクシードライバーを目指した際の体験を共有します。
6.1 タクシー会社数社を訪問
まずは、地元のタクシー会社数社を訪問しました。
各社の採用担当者から、「歩合率」(運賃のうちドライバーが受け取る割合)や給与体系、勤務条件などの説明を受けました。
ここで気づいたのは、会社によって歩合率や福利厚生が大きく異なること。例えば、A社は歩合率が高い代わりに保証給がなく、B社は歩合率は低めだが保証給があるなど、それぞれ特徴がありました。
「歩合率が高い方が稼げる!」と思いますが、保証給がある方が初期の収入が安定するので、未経験者にはありがたい制度だと感じました。
6.2 求人探し
次に、名前を知っているタクシー会社で、かつ家に近い営業所の求人を探しました。
公式サイトや一般求人サイトをチェックし、いくつか候補を絞り込みました。
特に、「資格取得支援制度」があるかどうかを重点的に確認しました。
そして、「家から近い方が、何かと便利だし、無駄な時間や費用をかけずに済むだろう」
そう思って選んだ営業所。
この選択に悔いはありませんが、その時はまだ知らないことが多すぎました。
6.3 面接
求人が見つかったら、採用担当者に連絡を取って面接のアポを設定。
面接では、「なぜタクシードライバーを目指すのか?」や「今までの職歴」などを質問されました。
ここで重要なのは、「長期的に働く意思があること」をアピールすること。
資格取得支援を受ける場合、多くの会社で「複数年の勤務が条件」とされるため、覚悟を持って臨むことが大切です。
6.4 必要書類の提出
面接が無事に終わると、次は関係書類の提出です。
自費で受診する健康診断書や保証人を明記した書類を準備し、採用担当者に提出しました。
健康診断は予約が必要な場合が多いので、余裕を持って行動しましょう。
6.5 資格取得支援で自動車教習所へ入校
無事に採用が決まると、次は「普通自動車第二種運転免許」の取得です。
タクシー会社の資格取得支援で、提携している自動車教習所へ入校することに。
しかも、書類を提出した翌日から。
明日が入校式ある日だからとのこと。
「え、明日から!?」
急な展開に驚きつつも、とにかくやってみるしかありません。
教習所では、学科講習と技能講習を受講。
特に技能講習では、「お客さんを乗せた状態での運転」を想定した練習が多く、一種免許とは違った難しさを感じました。
技能講習では様々な教官と話しをして、無駄話をしない方もいれば、たくさん話す人もいたり、厳しいプロフェッショナルな方もいました。
6.6 教習所で知ったこと
教習所で他のタクシー会社の支援を受けている人と仲良くなり、お互いの会社の話をしているうちに、私の会社の歩合率が低いことがわかりました。
さらに、相手の方は保証給に加えて支度金もあるとのこと。
正直、乗り換えたい気持ちが頭をよぎりました。
しかし、支援分の返金や業界での評判を考えると、我慢するしかないと思いました。
相手の会社は歩合率が高いものの、縛りが3年と長く、私は2年です。
それでも、支度金がないことは悩ましかったです。
6.7 卒業検定で一度失敗する
そして迎えた卒業検定。
筆者は緊張のあまり、鋭角を曲がる際に「縁石にぶつかった」上に、切り返すために後退しようとした際に「後方確認を忘れる」とい二つのミスを犯し、検定は即終了。落ちてしまいました。
再検定のための補講を受け、鋭角の曲がり方を重点的に練習しました。
再受験では、緊張しながらも前回の失敗を糧に、後方確認を徹底することを心がけ、無事卒業しました。
再検定などは自費で、会社ケチだなと思いましたが、家に近い営業所を選んだことには悔いはありません。
7. よくある質問(FAQ)

Q1. 第二種免許の取得にどれくらいの費用がかかりますか?
A1. 教習所での技能講習を受ける場合、費用は約20~30万円程度かかります。
ただし、タクシー会社の資格取得支援制度を利用すれば、この費用の一部または全額を負担してもらえる場合があります。
Q2. 資格取得支援制度を使う際の注意点は?
A2. 多くの場合、支援を受けると一定期間(例:2~3年)その会社で勤務することを条件とされます。
長期的に働く意思があるかどうかをよく考えてから支援を受けるようにしましょう。
Q3. タクシードライバーの収入はどのくらいですか?
A3. 収入は歩合制であることが多く、稼いだ運賃の一部が収入となります。
筆者の知る範囲での歩合率は40%台から60%です。
昼勤務、夜勤務、隔日勤務など勤務制度や稼ぎ次第で変動します。
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8. まとめ

タクシードライバーになるまでの道のりは思っていた以上に大変でしたが、資格取得支援制度を活用することで経済的な負担を軽減しながらスムーズに進めることができました。
これからタクシードライバーを目指す方には、「情報収集をしっかり行うこと」をアドバイスといたします。
この記事が、タクシードライバーを目指す方にとっての第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。