昼日勤のタクシードライバーはどんな1日を過ごしているのか?
現役ドライバーが、保育園送迎後の出庫から午前・昼・午後の乗車パターン、休憩のコツ、夕方前の帰庫まで、実際の働き方をわかりやすく解説します。
家庭と両立しながら安定して働くコツや、稼ぎ方のポイントも具体的に紹介。昼日勤のタクシー乗務の流れが本記事でイメージできます。


タクまる|現役昼日勤ドライバー(中の人のリアルを代弁中)
元・公務員→福祉業界を経て、地方で昼日勤として働くタクシードライバーに転職した「中の人」の体験談を、タクまるがわかりやすくお伝えします。
第1章:朝の時間帯の動き方|保育園送迎から出庫、その後の稼働へ

9時過ぎに出庫、そこからが本番
私は毎朝、子どもを保育園に送ってから出勤しています。出庫時刻はおおよそ9時過ぎ。朝の出勤ラッシュを狙った「早出組」とは違い、やや遅めのスタートです。
とはいえ、出庫直後の9時台も意外と需要があります。観光地やビジネス街に向かう移動や、空港・駅へのロング案件も午前中に入ることがあるからです。
曜日や天候、季節によっても人の動きは変化します。空港や駅が近くにある地域では、午前中でもしっかりとした収益につながるケースがあります。
筆者のひとこと:午前中に空港までのロング案件を引けた日は「今日は余裕があるな」と感じます。そういう日は気持ちも楽です。
午前の固定客や定期の動きがチャンスになる
この時間帯には「定期的に利用してくれるお客様」からの電話が鳴ることもあります。たとえば、「週に2回この時間にスーパーへ送ってほしい」といった依頼。アプリではなく、直接スマホにかかってくるケースもあり、信頼関係があるからこそ成り立つ流れです。
筆者のひとこと:お休みの日は電話を取らないことで、「あ、今日は休みなんだな」とお客様にも自然と伝わるようになりました。
また、病院でお客様をおろした後に「乗ってもいい?」と声をかけられることも。このような“連続乗車”のパターンが起きるのも午前中ならではです。
▶ 次章では、午前中に狙える具体的な案件パターンについて詳しく解説します。
第2章:午前の時間帯に狙える案件|病院・役所・観光地の動き
通院・役所・観光など、午前に動く人は多い

午前中はタクシーを使って病院・役所などに行く方の移動が活発になります。特に高齢の方は「午前中にすませたい」という傾向があるため、狙い目の時間帯です。
観光地を回るお客様の一部も、朝のうちにチェックアウトを済ませて移動するため、ロング案件につながるチャンスがあります。
筆者のひとこと:ある日の例ですが、9:00過ぎに出庫して数組を乗せた後、10:30頃には待機場のあるホテル前へ移動。11時前後にチェックアウトするお客様を空港までお送りし、正午頃には空港着。
この日の午前中だけで売上が万を超え、目標額に一気に近づきました。
乗車ターゲット | 主な内容 | 特徴 |
---|---|---|
通院送迎 | 病院・クリニックへの送迎 | 高齢者の午前利用が多い |
役所・公共機関 | 市役所・年金事務所など | 平日午前に集中しやすい |
商業施設 | 買い物移動・連続乗車 | 病院後に買い物も多い |
観光 | チェックアウト後の観光地移動 | ロング案件につながることも |
天候や曜日で動きが変わる
晴れの日は「今のうちに外出しておこう」と考える方が多く、午前中の稼働に勢いが出ます。雨の時も「タクシーに乗りたい」という需要が生まれます。
また、月曜日の午前中は定期受診や週末で体調を崩した・怪我をした方の来院で病院が混雑するため、送迎依頼が集中することも。曜日ごとの特徴を把握しておくと、より効率的な立ち回りが可能です。

私の地域では平日の中日(火・水・木)は他の曜日と比べて利用客が少ない事が多いため、週末・週明けが勝負時です。
筆者のひとこと:雨の日のアプリは本当に忙しくなります。「今日は雨だし、タクシーで行こう」という声が聞こえてくるような感覚ですね。
昼日勤の「午前」がカギを握る
昼日勤ドライバーにとって、午前中の立ち回りは一日の収益を左右する大きな要素です。アプリと流し営業、固定客対応をうまく組み合わせて、「動きのある時間帯」にしっかりと乗車を重ねることで、午後以降の展開もラクになります。
▶ 次章では、昼の休憩の取り方と午後への備え方を詳しく解説します。
第3章:昼の時間帯の過ごし方|休憩と次の波に備える
休憩時間はお客様の動きを考え、基本、下図の考えで動きます。
時間帯 | 休憩の考え方 | ポイント |
---|---|---|
11:00〜12:00 | 早めランチ休憩 | 混雑回避、移動需要も拾える |
12:00〜13:00 | 昼食ピークを避ける | 短距離移動のニーズが残る |
13:00〜15:00 | 午後の閑散タイム | まとめてしっかり休む |
昼休憩のタイミングは自分で決める
昼日勤のタクシードライバーには、明確な「昼休憩時間」はありません。11時台から13時台の間で、空車のタイミングやエリアの状況に応じて、自分で休憩を取るのが一般的です。
時間をずらして休憩することで、12時台の移動ニーズ(ランチや病院、短距離移動など)を拾いやすくなるメリットもあります。
筆者のひとこと:筆者の地域では13時から15時の間、人の動きが鈍くなるのでその時間帯に休憩しています。
休憩場所選びも立ち回りの一部


コンビニのイートインや、公園、駅の近くの駐車場など、場所によって休憩の質も変わってきます。次の乗車チャンスに近い場所で小休止することが、効率的な稼働につながります。



観光施設や大型商業施設の中間地点で休憩することが多いです。両施設にいる方からの乗車依頼が入りやすく、さらに周辺地域の需要も拾えます。
アプリ通知が「ピコン」と鳴った瞬間にすぐ動けるように、休憩中もエンジンはかけたまま。完全にオフにはせず、ゆるやかに“待機モード”で過ごしています。
リフレッシュと集中の切り替えが重要
稼ぎに直結する「午後の稼働」を支えるためにも、昼の休憩はしっかりと取っておくべきです。ただし、だらけすぎると気持ちが緩みすぎてしまうため、30分〜1時間を目安にリズムよく行動するのがコツです。
筆者のひとこと:軽食をとったり、車から降りてストレッチをしたりして体をほぐします。短い時間でも、次の稼働に向けて頭と体をリセットする感覚です。
アプリの「波」が来たらすぐ動けるように
アプリ配車の需要は15時以降に増えるタイミングがあります。たとえば、観光客や午後の予定に向かう利用などが増えてきます。
こうした波に乗るためには、長時間の休憩やスマホの操作に集中しすぎず、周囲に目を配りながら休むことが大切です。
▶ 次章では、午後の稼働で発生しやすい乗車パターンを紹介します。
第4章:午後の稼働|観光・買い物・通院など多様なニーズ
午後は観光地・商業施設の周辺が狙い目


15時以降は観光客の移動や、買い物の行き帰りの利用が増える時間帯です。地域によっては、学校の下校時間とも重なり、学生の送迎ニーズが出てくることも。
この時間帯は、観光施設やホテル、商業施設の周辺などスポットごとの需要がわかりやすく出るのが特徴です。
ホテル周辺での待機や声がけでの乗車も
ホテル近くを歩いていた人に声をかけられ、「乗れますか?」とそのまま乗車につながることもあります。こうした“偶然の出会い”が午後の稼働では起こりやすく、営業エリア内での柔軟な立ち回りが問われます。
筆者のひとこと:商業施設で乗客をおろして、施設の待機場で声をかけられて、次の乗車につながることもあります。
午後の「流れ」を感じる瞬間
高校生が友人と相乗りで商業施設まで移動する案件など、1件1件の距離は短くても「連続乗車」が続く時間帯です。こうした流れができると、効率よく台数をこなせて売上も安定します。
筆者のひとこと:高校生が商業施設まで相乗りで利用してくれると、こちらも効率的に動けてうれしいですね。
▶ 次章では、夕方前の稼働の切り上げ方や目標設定について解説します。
第5章:夕方前の立ち回りと目標設定|前倒し需要を拾って気持ちよく帰庫する
夕方の「帰宅ラッシュ」は昼日勤の時間外
17時〜19時は、いわゆる「帰宅ラッシュ」と呼ばれる時間帯。ビジネス街や官公庁からの退勤、観光客のホテルへの移動、通学帰りの学生の送迎など、さまざまな需要が重なるタイミングです。
ただし、昼日勤のドライバーにとってこの時間帯は基本的に“引き上げの時間”。夜勤ドライバーとの交代タイミングになるため、直前まで無理に追いかけず、自然な形で終業に向かうのが現実的です。
16時台には「前倒しの動き」がある


とはいえ、16時前後から徐々に人の流れは変わってきます。特に目立つのは、夕飯の食材を買いに出る主婦層の動き。商業施設やスーパーの出入口では、この時間帯に短距離利用が発生しやすくなります。
筆者のひとこと:地元のスーパーやショッピングセンターで、「買い物帰りに乗せてほしい」と声をかけられることもあります。
目標金額を決めて、潔く引き上げる
私自身は、「売上が◯◯円に到達したら帰庫」というルールを設けています。その日の運の流れやアプリ配車の調子によっては、15時台に達成することもあり、そういったときは早めに切り上げて自分の時間に切り替えるようにしています。
筆者のひとこと:早い時間で売上目標を達成できると、気持ちに余裕ができて「今日はいい日だったな」と感じます。
無理せず、気持ちよく終われる働き方を
タクシードライバーという仕事は、「どこまで走るか」の見極めが肝心。昼日勤の場合、終盤に無理して案件を拾いに行くよりも、早めに目標達成して効率よく引き上げるほうが、気持ちもラクで続けやすいと感じています。
- 昼日勤では「夕方ラッシュ」は基本的に狙えない
- 16時前後の「前倒し需要」がラストチャンス
- 売上目標(例:◯◯円)を決めて、早めでも潔く帰庫
- 家庭との両立・生活リズムの安定にもつながる
雨の日やイベント日はチャンス
天候や地域のイベントによっては、アプリや流し営業で乗車が集中することもあります。とくに雨の日は買い物を控える人もいれば、「雨だからタクシーで行こう」と考える人もいて、アプリ需要が増す傾向にあります。
筆者のひとこと:「今日は雨だ、タクシー使おう」という声が聞こえるような日には、アプリがよく鳴ります。
勤務終了と帰庫の流れ
夜勤の方との交代が17時であれば、筆者は16時30分頃を目安に帰庫し、車両清掃・乗務日報の記入などを済ませます。営業エリアから会社までの距離を逆算し、余裕を持った行動を意識しています。
自分にとっての「採算ライン」を知る
タクシードライバーにとって、「いくら稼いだら今日はOKか」を把握しておくことは重要です。固定費・歩率・保障給など、会社によって異なる制度を把握しながら、自分のスタイルに合った働き方を見つけましょう。


▶ 最後に、昼日勤という働き方の総まとめと、未経験の方へのメッセージをお届けします。
第6章:子どもの体調不良による乗務中の離脱対応
乗務中に、保育園から「息子が体調を崩したので迎えに来てほしい」と連絡が入ることがあります。お客様を送迎中の場合は、降車後に折り返して状況を確認し、必要であればすぐに所長へ連絡します。そのうえで、保育園に迎えに行き、祖父母に子どもを預けてから乗務に戻るようにしています。会社側も家庭の事情に理解があり、所長も柔軟に対応してくれるため、こうした場合でも落ち着いて行動できます。
第7章:まとめと次のステップへ
未経験からタクシードライバーを目指すとき、多くの方が「本当にやっていけるのか?」「家庭と両立できるのか?」と不安を感じます。私も最初は同じ気持ちでした。
実際にスタートしてみると、昼日勤という働き方は家庭の時間を大切にしながら働ける現実的な選択肢だと感じています。保育園の送迎から始まり、午前の固定客やアプリ配車、午後の小さな案件を重ねながら、夕方前に目標を達成して帰庫する。その流れが、今の自分の生活にぴったりとハマっています。
もちろん、体調管理や計画的なスケジュール調整は必要です。ただ、「どこまで走るか」を自分で決められる柔軟さがこの仕事にはあります。
筆者のひとこと:昼日勤の働き方は家族との夕食の時間も確保でき、子どもと過ごす時間も増えました。自分の心にも余裕が生まれ、タクシードライバーという仕事を選んで本当によかったと実感しています。
もし今、働き方に迷いやモヤモヤを感じているなら、タクシードライバーという職業を前向きに検討してみてください。未経験からでも、一歩を踏み出せばきっと道は開けます。
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「昼日勤で働くことを決めたら、次は何をすればいい?」そんな疑問には、未経験からの昼日勤スタートガイドがおすすめです。具体的な転職ステップをチェックしましょう。
研修でプロの1日をスムーズに
タクシードライバーの1日は、出庫前の準備から帰庫後の処理まで、様々な実務を含みます。研修では、これらの日々の業務を円滑に進めるためのアルコールチェック、日報・納金処理、忘れ物チェックといった細かな手順も丁寧に指導されます。実際の研修を通じて、プロの1日の流れをどのように習得していくか、[未経験から即戦力に!二種免許後のタクシー研修内容とプロへの道のり【体験談あり】]でその詳細をご覧ください。