タクシードライバーの売上は、お客様の支払い方法、特にGO・DiDi・Uberといった配車アプリの決済をいかにスムーズに案内できるかで大きく変わります。タクシーアプリの利用を促すことで、その便利さから来る「このクーポンは使える?」「d払いは?」「領収書はアプリから?」といった疑問に答え、お客様が今後もタクシー利用するための需要の掘り起こしができます。
降車時の決済トラブルは、ドライバーにとってもお客様にとっても避けたいもの。支払い方法の知識はいまや、あなたやタクシー業界の売上を左右する重要な営業スキルです。
この記事では、現役ドライバーの皆様が明日からの営業ですぐに使えるよう、3大アプリの決済方法(アプリ決済・車内決済)を徹底比較。お客様のタイプ別に最適な対応方法から、クーポンや領収書発行のスマートな案内まで、現場目線で分かりやすく解説します。この知識を武器に、お客様満足度と売上アップを同時に実現しましょう!
- GO・DiDi・Uberなど主要3アプリの決済方法の違いと特徴が分かる
- 「アプリ決済」「車内決済」など、支払いパターンの基本構造を理解できる
- お客様タイプ別に、最適な支払い案内とトラブル回避のコツが身につく
- クーポン適用条件や手数料の最新情報(GOの車内決済100円など)を把握できる
- 決済知識を活かして、売上アップと顧客満足度向上を両立する方法が分かる
もう現金だけじゃない!タクシー決済の「今」を知ろう
はじめに | お客様の「どうやって払おうか」に応えるために
私たちタクシードライバーの仕事も、ここ数年で大きく変わりました。
一昔前は、お客様を乗せて、メーター料金を現金でもらうのが当たり前でした。
でも今は、スマホのアプリで呼ばれるのが普通になり、支払い方法も本当に色々。
GO、DiDi、Uberといった大手アプリが登場したことで、ただ運転するだけじゃなく、お客様の「どうやって払おうか。」にスムーズに応える知識が、広い意味でドライバーの売上を左右する大事なスキルになってきています。
一番大事なポイント | 支払いの流れを制する者が、営業を制す!
本記事で一番伝えたいのは、これからのタクシー営業で大事なのは「決済」だ、ということです。
お客様が現金で払うのか、カードなのか、それともPayPayみたいなQRコード決済なのか。
お客様がどのアプリを使っているかを見れば、どんな支払い方法を好む人なのか、だいたい見当がつくようになります。
ここでは、ドライバー目線でGO、DiDi、Uberの3つのアプリの「お金のもらい方」を徹底的に解説します。
これを読めば、お客様への案内がスムーズになり、降車時のトラブルも減って、気持ちの良い営業ができますよ。
支払いの仕組みを丸わかり!決済方法 対応一覧
まずは基本から。今のアプリを使ったタクシーの支払い方法には、大きく分けて2つのパターンがあります。これを知っておくだけで、お客様とのやり取りがグッと楽になります。
2つの支払いパターン「アプリ決済」と「車内決済」
- アプリ決済(オンライン決済)
これは、GOの「GO Pay」、DiDiの「アプリ決済」、Uberの支払い方法のことです。
お客様が事前にアプリにクレジットカードやPayPayを登録していて、目的地に着いたら自動で支払いが終わる仕組みです。
私たちドライバーにとっては、降車時にお金のやり取りが一切ないのが最大のメリット。
現金決済時の時より早く次のお客様を探しに行けるので、効率が良いです。
- 車内決済(オフライン決済)
GOの「車内決済」やDiDiの「現金・その他決済」と呼ばれる昔ながらの方法。目的地に着いてから、車内の決済機を使って現金やクレジットカード、交通系ICカードなどで支払ってもらいます。アプリにカード情報を入れたくないお客様や、会社のタクシーチケットを使いたいお客様がこの方法を選びます。
結局どれが使える?決済方法 対応一覧表
この表さえ見ておけば、どのアプリがどの支払いに対応しているか一目でわかります。
| 決済方法 | Uber | DiDi | GO |
| 現金 | ✓ (一部エリア) | ✓ (車内決済) | ✓ (車内決済) |
| クレジットカード | ✓ (アプリ内) | ✓ (アプリ決済/車内決済) | ✓ (GO Pay/車内決済) |
| PayPay | (要アプリ確認) | ✓ (アプリ決済) | ✓ (GO Pay) |
| d払い | ~ (車内決済のみ・タクシー会社による) | ✓ (GO Pay) | |
| Apple Pay | (要アプリ確認) | ✓ (GO Pay) | |
| PayPal | ✓ (アプリ内) | ||
| その他QR決済 (au PAY, 楽天ペイ等) | (車内決済のみ・タクシー会社による) | (車内決済のみ・タクシー会社による) | |
| 電子マネー (OKICA等) | (車内決済のみ・タクシー会社による) | (車内決済のみ・タクシー会社による) | |
| クーポン利用 | アプリ内決済が基本 | アプリ決済が必須 | GO Payが必須 |
注:△マークは、自分のタクシーに積んである決済機次第で使える、という意味です。確実ではありません。
3つのポイントで比較!どのアプリがドライバーに優しい?
データを元に、今度は「楽か?」「儲かるか?」「面倒じゃないか?」という3つの視点で、各アプリを比べてみましょう。
とにかく「楽」なのはどれ?降車時の手間をなくす価値
一番の価値は、やっぱり「降車時の手間がゼロになること」です。GOの「GO Pay」、DiDiの「アプリ決済」、Uberの「アプリで支払う」は、どれもお客様がサッと降りていけるのが最高です 。
特に急いでいるお客様や、荷物が多いお客様にとっては、この「支払いの手間なし」がすごく喜ばれます。つまり、「楽にタクシーを呼べる」こと以上に、「いかにスムーズに降りられるか」がお客様の満足度に繋がる時代なんです。この点では、間違いなくアプリ決済が一番です。
「売上」にどう響く?支払方法とクーポンの関係
お客様が払う最終的な料金は、メーターの金額だけじゃありません。アプリのクーポンが使えるかどうかで、大きく変わります。そして、クーポンが使えるかどうかは、支払い方法で決まります。
GOとDiDiのクーポンは、「GO Pay」か「DiDiアプリ決済」じゃないと絶対に使えません 。お客様が「クーポン使いたいんだけど」と言ってきたら、それは「アプリ決済でお願いします」という意味なんです。もしお客様が車内決済を選んでいたら、「お客様、クーポンをお使いになるには、アプリでのお支払いが必要ですよ」と教えてあげると親切です。
これは、アプリ会社がお客様にアプリ決済をどんどん使ってもらいたいから。クーポンを機に、お客様を自分たちの支払いシステムに誘導しているわけです。この仕組みを俺たちドライバーが理解しておけば、お客様への案内もスムーズになります。
「柔軟性」はどう?色々な支払いに対応できるか
支払い方法の種類の多さ、つまり「柔軟性」については、各アプリで考え方が全く違います。
- Uber
シンプルで分かりやすいUberは、クレジットカードやPayPalなど、世界中で使われているモダンな支払い方法に絞っています 。だから、どの国で乗っても支払い方が同じで分かりやすい。でもその分、日本でよく使われるSuicaみたいな交通系電子マネーや、au PAYみたいなQRコード決済には対応していません。シンプルさを優先しているんですね。
- Go & DiDi
対応できる可能性は広い一方、GoとDiDiは「車内決済」があるので、理論上はもっと色々な支払い方法に対応できます 。私たちの車に最新の決済機が積んであれば、SuicaやPASMO、iD、QUICPay、いろんなQRコード決済が使える可能性があります 。でも、これはあくまで「可能性」。会社のタクシーがどの決済に対応しているかは、就職してみないと分からないのが現状です。
つまり、「確実でシンプルなUber」か、「不確実だけど、うまくいけば色々使えるGo/DiDi」か、という違いがあります。ドライバーとしては、自分の車にどんな決済機が積んであるか、しっかり把握しておくことが大事です。
お客様はなぜこのアプリを選ぶ?クーポンの裏側
お客様がクーポンを使うのは当たり前。ここでは、各社がどんなクーポンを出しているかを知って、お客様との会話に役立てましょう。
Go vs. DiDi | お得なクーポン合戦
GoとDiDiは、お客様を増やすために、ものすごいクーポン合戦を繰り広げています。
- 初めてのお客様向けキャンペーン
どっちの会社も、初めてアプリを使う人には大盤振る舞いです。GOは初回500円引きに加えて、乗るたびに500円クーポンがもらえるキャンペーンをやっています 。DiDiも「OTOKU5」みたいなコードで、たくさん割引をしています 。だから、「初めて使います」というお客様は結構多いはずです。
- 友達紹介
口コミで広げてもらうために、紹介した人・された人両方にクーポンを配っています。GOはそれぞれに2,000円分 、DiDiも同じような仕組みです 。
- エリア限定キャンペーン
特にDiDiは、東京の都心や大阪など、特定のエリアを狙ったキャンペーンが得意です 。
Uber | ちょっと違うクーポン戦略
GoやDiDiみたいにいつも割引しているわけじゃなく、Uberのクーポンはもっと限定的です。大きなイベントの時とか、期間限定でドカンと割引することが多いです 。
「TAXIPOWER」みたいな新規向けの大きな割引もありますが、頻度は少なめ 。Uberは、安さで勝負するより、「Uber」というブランドや快適な移動体験を売りにしているので、クーポンはあくまで補助的な役割です。
お客様のタイプ別!ドライバーのスマートな対応術
これまでの話を元に、「こんなお客様には、こう対応する!」という具体的な方法を考えてみましょう。
「現金で払いたい」お客様への対応
アプリにカードを登録したくない、現金主義のお客様もまだまだいます。
- 案内するアプリ:DiDi または GO(車内決済)
- 対応のポイント
どちらのアプリも「車内決済」を選べば現金で支払えます 。ただし、一番大事なのは、GOは2025年8月から車内決済に100円の手数料がかかるということです 。お客様がこのことを知らない場合もあるので、「GOの車内決済ですと、100円の手数料がかかってしまいます。今後、その事を念頭に置いておくと良いですよ。」と一言添えてあげると、とても親切です。今のところ手数料がないDiDiの方が、現金派のお客様には向いているかもしれません。
「とにかく安く乗りたい」クーポン重視のお客様への対応
クーポンの使いこなしが上手で、一番安い方法を探しているお客様です。
- 対応のポイント
こういうお客様は、GOとDiDiの両方のアプリをスマホに入れていることが多いです。乗る前にどっちのクーポンがお得か比べています。私たちがすべきことは、お客様が支払い方法を「GO Pay」か「DiDiアプリ決済」に設定しているか確認してあげることです。「クーポンをお使いになるので、お支払いはアプリ決済が良いですよ。」と確認の一声を入れると、降車後の「あれ、クーポンが使えていない!」というトラブルを防げます 。
「d払いで払いたい」お客様への対応
普段からd払いをよく使っているお客様です。
- 案内するアプリ:GO一択です。
- 対応のポイント
GOだけが、アプリ決済(GO Pay)でd払いを確実に使えます 。DiDiの車内決済でたまたまd払いが使える可能性もありますが、確実ではありません 。お客様の「d払いで払いたい」という要望に確実に応えられるのはGOだけ、と覚えておきましょう。
「領収書が欲しい」ビジネスマンへの対応
出張などで利用し、経費精算のために領収書を必要とするお客様です。
- 対応のポイント
「領収書をお願いします」と言われたら、まず、支払いはアプリ決済か、車内決済か確認するのがベストです。車内決済であればメーターで領収書を発行します。アプリ決済であれば、乗客の登録したメールアドレス宛に電子領収書が届きますのでその旨案内しましょう。
まとめとこれからの話
最終チェック | お客様に合わせた最適な案内
- 安さ最優先のお客様には
DiDi & GO。「次回以降、乗る前にクーポンを確認して、アプリ決済にしてくださいね」と案内。
- スムーズさや海外出張が多いお客様には
Uber。「Uberは、世界中どこでも同じように使えて便利ですよ」と一言。
- d払いのヘビーユーザーには
GO。「d払いならGOが確実ですよ」と精算時に一言。
- 現金派のお客様には
DiDi。「GOだと手数料がかかるようになりますよ」と情報提供。
- 経費精算するビジネスマンには
どのアプリでもOK。「アプリ決済なら領収書管理が楽ですよ」と案内するのが一番スマート。
これからは「アプリ決済」が当たり前になる
今回の話で一番大事なのは、タクシーの支払いは、もうアプリでのキャッシュレス決済がどんどん主流になっていく、という流れです。GOが2025年8月から車内決済に手数料をかけるのは、その大きな合図です。
これは、アプリ会社がクーポンでお客様をアプリ決済に誘導し、手数料で現金払いを不便にさせて、どんどんキャッシュレス化を進めようとしている証拠です。この流れはもう止まりません。私たちドライバーも、この変化に対応していく必要があります。アプリ決済の仕組みをしっかり理解して、お客様にスマートな案内ができれば、より良いサービスの提供と言えるでしょう。









