「タクシードライバーに興味はあるけれど、昼日勤・夜日勤・隔日勤務の違いがわからない…」
そんな方に向けて、現役ドライバーの筆者が勤務形態ごとの特徴・メリット・注意点を丁寧に解説します。
タクシー勤務形態は、生活リズム・収入・体力負担に大きく関わってくるため、転職時の重要な判断ポイントです。
筆者自身は未経験から昼日勤で乗務をスタートし、家庭との両立を重視して働いています。
昼日勤や夜日勤の同僚との会話で見えてきた「それぞれの勤務スタイルに向いている人・そうでない人」の違いを、中立的な視点でお伝えします。
- 昼日勤・夜日勤・隔日勤務の具体的な働き方の違い
- それぞれのメリット・デメリット・主な顧客層
- 未経験者でも無理なく続けられる勤務形態の見極め方
- 実際に昼日勤で働く筆者の視点・経験談
本記事では「自分に合った働き方を見つける」ことを第一に、タクシー勤務の向き不向きを見極めるための判断軸を整理しています。
未経験からタクシー業界を目指す方も、すでに興味を持って調べ始めている方も、ぜひご自身のスタイルと照らし合わせてご覧ください。


観光が盛んな地方在住のアラフォーの現役タクシードライバー
特徴:不器用、人懐っこい、人との距離感バグってる
家族:妻と男の子1人
過去のキャリア
– 地方公務員(企画・立案)
– プログラマ(ミドルウェア)
– 福祉業界(営業職)。
– 多様な経験を現在の接客に活かす。
夜日勤の特徴と注意点|ナイトタイムでしっかり稼ぐ働き方

夜日勤は、夕方から深夜・明け方にかけて働く勤務スタイルです。
ナイトライフを支える移動手段として、飲食店やイベント会場周辺での需要が高まるのが特徴です。
筆者自身は家庭との両立を優先して昼勤務を選びましたが、同僚や身内には夜勤で頑張っている方も多く、リアルな声を聞く機会があります。
夜日勤の主なメリット
- 高収入を狙いやすい:深夜割増や繁華街での回転率が高く、短時間で効率よく稼げるチャンスが多いです。
- 昼間の時間を自由に使える:銀行や役所に行きたい、昼間に趣味の時間がほしいという方には都合がいい働き方です。
夜日勤の主なデメリット
- 生活リズムが乱れやすい:昼夜逆転の生活になるため、体調管理に気をつかう必要があります。
- トラブルや危険への備えが必要:飲酒後のお客様とのやり取りなど、気を抜けない場面もあります。
たとえば、私の叔父も長年夜日勤で乗務しているのですが、「夜型生活のせいか、ちょっとふっくらしてきたかもな〜」なんて、最近はよく言っています。
※もちろん、夜勤でもしっかり運動や体調管理をしている方もたくさんいらっしゃいます。体質や生活スタイルによっても違いはありますので、一概には言えません。
夜日勤での顧客層の傾向
- 17:00〜21:00:会社員の帰宅や、居酒屋間の移動など。アプリ配車が活発です。
- 21:00〜0:00:飲み会が終わる時間帯。終電帰宅客で繁華街や駅前が賑わいます。
- 0:00以降:クラブやライブ帰りの若者層など、深夜料金帯のロング案件が狙える時間帯です。
夜日勤に向いている人
- 高収入を戦略的に狙いたい人:深夜帯の長距離案件や割増時間帯を狙えるため、短時間でも成果を出しやすい。
終電後やイベント終了直後の駅・繁華街での集中需要を狙って、短時間に高売上を出す同僚もいます。 - 昼の自由時間を有効活用したい人:副業や通院、昼間の活動を大切にしたい方に向いています。
同僚の中には、日中に家族の通院や趣味に時間を使っている方も。 - 酔客対応に冷静に対処できる人:夜間は飲酒客とのやりとりが多いため、割り切って対応できる方に適しています。
「酔ってる人の方がチップをくれることが多い」と話す同僚もいます。
夜日勤に向かない人
- 家庭との時間を優先したい人:夕食や子どもの寝かしつけ、学校行事などに参加しにくくなります。
私も妻から「子どもと接する時間を作れる働き方にしてほしい」と言われ、日勤を選びました。 - 生活リズムの乱れに弱い人:昼夜逆転が続くと、体調やメンタルに影響が出やすくなります。
- トラブルに強いストレスを感じる人:嘔吐・暴言・支払いトラブルなど、夜間特有のリスクも発生します。
酔ったお客様とのやり取りは、避けられない場面もあります。
「割り切って冷静に対応できるかどうか」が、夜日勤を続けやすいかどうかの一つの目安かもしれません。
隔日勤務の特徴と注意点|1勤務で効率よく稼ぎ、次の日は完全オフ

隔日勤務は、1回あたりの勤務時間が長く、1日働いて1日休むサイクルが特徴の勤務形態です。
都市部では比較的よく見かけますが、筆者の勤務エリア(地方)では求人そのものが少なく、実際に選べる会社は限られます。
ここでは、一般的な隔日勤務の仕組みと特徴を、できる限り中立的に解説します。
勤務時間の例
- 9:00〜翌3:00:通勤・観光・飲み会帰りと、1日を通じて幅広い顧客に対応
- 8:00〜翌2:00:都市部でよく見られるパターン。朝の通勤から深夜の帰宅までカバー
隔日勤務の主なメリット
- 高収入が狙いやすい:昼夜両方のピーク帯に対応できるため、1勤務あたりの売上は非常に高くなる可能性があります。
例えば、空港送迎や観光地巡り、深夜のロング案件など、高単価のチャンスが豊富です。 - 自由時間がまとめて取れる:出勤日の翌日は丸1日オフとなるため、旅行・家族時間・趣味などに使いやすく、月13勤務程度で済むこともあります。
- 多様な顧客層と出会える:時間帯に応じて乗客層が変化するため、営業スキルや地理感覚が磨かれるという声もあります。
隔日勤務の主なデメリット
- 体力への負担が大きい:16〜18時間前後の長時間拘束となるため、集中力・体力の管理が非常に重要です。
- 生活リズムが崩れやすい:「昼夜をまたいで働き、翌日は丸1日寝て終わる」というパターンに陥ると、生活のリズムが不安定になりがちです。
この勤務形態は体力と自己管理に自信がある方には高い自由度と収入のバランスが魅力ですが、家庭との調整が難しいという声もあります。
隔日勤務に向いている人
- 長時間でも集中力を保てる人:昼夜をまたいで稼働するため、スタミナとリズム切り替えが重要です。
- まとまった自由時間を重視したい人:1勤務1休のサイクルで、月の乗務回数が少なくプライベートを確保しやすいです。
- 幅広い顧客層に対応したい人:昼は観光や買い物、夜はイベント帰りなど、多様なニーズに応えられます。
隔日勤務に向かない人
- 長時間勤務で疲労がたまりやすい人:私は隔日勤務を体験していませんが、8時間の昼乗務でも長距離が続くと正直ヘトヘトになります。
そこからさらに18時間となると、自分には厳しいかもしれないと感じています。 - 毎日同じルーチンで働きたい人:出勤日と休みのリズムが変則的で、日々の流れを一定に保ちたい方には不向きです。
- 生活リズムを重視したい人:隔日勤務は昼夜をまたぐため生活リズムが崩れやすく、家庭との調和が難しいこともあると言われます。
私は未経験ですが、「子どもと夕食をとる時間を大事にしたい」と感じており、生活ペースを重視する方には慎重な判断が必要かもしれません。
筆者の知る限りでも、「やってみたけど隔日はキツかった…」と感じた方は少なくありません。
自分の体力や生活リズムに合うかどうか、慎重に見極める必要があります。
※地域によっては、そもそも隔日勤務を採用していないタクシー会社もあります。
求人や面接時に必ず勤務形態を確認しましょう。
昼日勤の特徴と注意点|家庭との両立と安全性を重視した働き方

昼日勤は、朝から夕方まで働く勤務形態です。
タクシーの中では比較的“安定型”の働き方で、生活リズムが整いやすく、家庭や健康と両立しやすいのが特徴です。
筆者自身も現在は昼日勤で乗務しています。
最初は「地域の足としてのやりがいなんてあるのかな…」と半信半疑でしたが、通院帰りのお年寄りや、買い物帰りの方からかけてもらう感謝の言葉に、少しずつ“地域に役立っている実感”が湧くようになりました。
昼日勤について「実際にどんな1日になるのか?」が気になる方は、こちらの体験談記事も参考になります。筆者が未経験から昼勤務を選んだ理由や、出勤〜終業までのリアルな流れを詳しく紹介しています。
勤務時間の例
- 7:00〜16:00:通勤・通学・病院送迎などの朝需要に対応
- 9:00〜17:00:保育園の送り迎えを考慮した子育て世代に人気の時間帯(筆者もこのパターン)
昼日勤の主なメリット
- 生活リズムが整いやすい:毎朝同じ時間に起き、夜は家族と夕食をとって眠るという、規則正しい生活を送りやすいです。
- 健康面への好影響:筆者も昼勤務になってから体温が安定し、職場の点呼時に「体温いつも安定してますね」と言われるようになりました。
それまでは平熱が36℃前半で、冷え性気味だったのが、今は36.6℃前後で安定しています。 - 家庭との両立がしやすい:子どもの保育園のお迎えに間に合ったり、夕方以降の時間を家族と過ごせたりと、家庭の時間を確保しやすいです。
- 安全性が高い:夜間と比べて酔客トラブルや犯罪リスクが少なく、安心して乗務できます。
- 顧客層が幅広い:高齢者の通院、買い物、子どもの塾の送迎、観光客の移動など、時間帯ごとにニーズが変わるのが特徴です。
昼日勤の主なデメリット
- 午後の閑散タイム:午前中は忙しくても、午後は乗車数が落ち着く傾向があります。
- 高単価案件が少なめ:深夜割増やロング案件が発生しにくく、1件あたりの単価は控えめです。
ただし、筆者の勤務エリアでは観光地や病院が密集しているため、昼勤務でも安定収入は十分に狙えます。
実際、私の会社では昼日勤が売上トップを争う日もあります。
昼日勤に向いている人
- 家庭と仕事を両立したい人:朝から夕方の勤務なら、家族との時間を確保しやすい。 筆者もこの勤務で、保育園の送り迎えや夕食の時間を無理なく確保できています。「保育園に行ける仕事なんてない」と思っていた自分が、今では子どもと夕方散歩するのが日課です。
- 健康的な生活リズムを維持したい人:昼型生活を続けることで、体調管理がしやすくなる。 点呼時に「いつも体温安定してますね」と言われるほど、生活リズムが整いました。冷え性や睡眠不足で悩んでいた頃と比べて、明らかに体調が安定しています。
- 昼間の地域に詳しい or 興味がある人:日中の顧客層に合わせた営業がしやすくなる。 地元のスーパー・病院・観光地など、昼間に動く人の行動パターンがつかめる方は、配車アプリに頼らず効率よく動けます。私は「午前は◯◯病院、午後は××のスーパー周辺」と時間帯ごとに動いています。
昼日勤に向かない可能性がある人
- 高収入を第一優先に考える人:夜のような高単価案件や深夜割増がなく、単価的にやや不利。 昼日勤は件数勝負になりやすいため、1回1回の単価が高くないとモチベーションが続かない人にはストレスかもしれません。
- 午後の閑散時間が苦手な人:昼過ぎは乗車数が減りがちで、待機時間が長くなることも。 「空き時間が嫌い」「常に忙しくしていたい」というタイプの方には、午後の時間帯が退屈に感じるかもしれません。私はこの時間を仮眠やコンビニ休憩に充ててリズムを整えています。
勤務体系の選び方と判断ポイント|

「自分に合うかどうか」が何より大切
ここまで、昼日勤・夜日勤・隔日勤務の違いや特徴を見てきました。
では、自分にとって最適な勤務スタイルはどう判断すればいいのでしょうか?
勤務形態の選び方に“絶対的な正解”はありません。
自分の体力・家族構成・ライフスタイル・働く目的などをもとに、次の5つの視点で考えるのがポイントです。
体力・健康に自信がある人は?
隔日勤務が候補になります。
1勤務あたりの拘束時間は長いですが、昼夜のピークを両方カバーして高収入が狙えるのが特徴です。
ただし、体調や集中力を維持するためには、仮眠・休憩・ストレッチなど自己管理の習慣が不可欠です。
とにかく高収入を目指したい人は?
夜日勤が適しています。
深夜割増や繁華街の長距離案件が狙え、短時間で効率的に売上を立てやすいのが魅力です。
ただし、酔客対応やトラブルもつきもの。冷静な対処力と生活リズムの工夫がカギとなります。
家庭や健康を優先したい人は?
昼日勤がおすすめです。
規則正しい生活が送りやすく、保育園の送り迎えや家族との夕食なども確保しやすいため、子育て中の方にも人気があります。
単価は控えめですが、地域に根ざした営業や観光・病院送迎で安定収入も目指せます。
判断に迷ったときのヒント
- 生活リズムで選ぶ:朝型か夜型か、自分の自然な体のリズムを優先
- 体力の傾向で選ぶ:長時間勤務に集中できるか、休憩の取り方はどうか
- 収入の目標で選ぶ:月にどれくらい稼ぎたいか、固定費・生活費とのバランスも含めて
- 家庭との調整で選ぶ:子育て・介護・通院など、日常との両立のしやすさも重要
「どれを選べば正解かわからない…」という方は、まずは昼勤務でスタートして、慣れたら夜勤に移るというステップもおすすめです。
勤務形態は変更可能な会社も多いため、最初から“完璧な選択”にこだわらず、無理のないスタートを切ることが長続きのコツです。
よくある疑問Q&A【未経験者の不安に答えます】
ここでは、勤務体系選びでよくいただく疑問に、現役ドライバーの視点からお答えします。
Q1. タクシードライバーって未経験でも本当に大丈夫?
はい、大丈夫です。
多くの会社では研修制度(地理・接客・安全運転)が整っており、未経験者が安心して始められる環境が用意されています。
筆者自身も、地元の地理に不安がありましたが、アプリや先輩のフォローのおかげで徐々に慣れていきました。
Q2. 地方で働くメリット・デメリットは?
地方では生活コストが低く、観光・通院など地域密着型の需要 一方で、配車アプリの対応範囲が狭かったり、予約件数が少なめというケースもあるため、営業スタイルの工夫が必要です。
Q3. 昼勤務って本当に稼げるの?
地域や会社によって差はありますが、観光・病院・買い物などの日中需要が安定しているエリアでは、昼勤務でも十分に稼ぐことができます。
筆者の勤務先でも、昼勤務が売上トップクラスになる日があり、件数やエリア戦略次第で安定収入が見込めます。
Q4. 年齢が高くてもタクシー業界に転職できますか?
はい、40代・50代からの転職者も多数います。
特に家庭との両立・健康維持を重視する方には、昼日勤が好まれる傾向があります。
Q5. 二種免許は自分で取る必要がありますか?
ほとんどの会社では、二種免許取得費用を全額負担する「養成制度」があります。
筆者もこの制度のおかげで、自己負担なしで転職できました。
Q6. 女性でも働けますか?
はい、年々女性ドライバーも増えています。
日勤中心・安全性の高いエリア・女性専用設備が整った会社もあり、筆者の職場でも保育園との両立をしながら活躍されている方がいます。
まとめ|自分に合った勤務体系と会社を選ぼう
ここまで、昼日勤・夜日勤・隔日勤務という3つの勤務形態について、その特徴やメリット・デメリットを比較してきました。
どの勤務体系にも“正解”はなく、あなたの生活・健康・価値観に合った働き方を選ぶことが何より大切です。
それぞれの勤務形態のおすすめポイント
- 夜日勤:高収入を目指したい方、夜型の生活に抵抗がない方
- 隔日勤務:まとまった自由時間がほしい方、長時間勤務に体力的な自信がある方
- 昼日勤:家庭との両立や健康的な生活リズムを重視したい方
勤務形態は会社によって柔軟に変更できる場合も多く、「まずは昼勤務から始めて、慣れたら夜勤も検討する」といったステップも選択肢のひとつです。
どんな働き方が自分に合っているか迷っている方は、実際の働き方を詳しく紹介した記事を読んでみるのもおすすめです。
この記事が、あなたにとって“自分らしく働ける選択肢”を見つけるきっかけになれば幸いです。